あでもこの写真はイタリー。
1日目 ( 2018年 8月27日)
何故かこの日は無性にお腹が空いていて何を食べても美味しく感じられた。
飛行機では、隣に誰もいないというラッキーな状態だった。なので通路側だったけど窓側に移った。離陸する瞬間を窓からみたかったけど、なかなか離陸しなくて、そしたら気づいたらぐっすり寝てたようで、離陸する瞬間を見るどころか起きたら最初の食事も終わっていた。
その後はご飯は食べずにおみそ汁を3回もお願いした。流石に3回とも同じフライトアテンダントの方に頼みたくなかったので、違う方にそれぞれ頼んだ。もっとも、暗くてよく顔が見えなかったのが現状なので、違う人がどうかを見極めるのはなかなか大変だった。(追記 :私めんどくさいし、迷惑だなぁ3回も頼むなんて。)
起きている時はほとんどの間Becky Albertalli のLeah on the offbeat を読んでいた。Leah on the offbeat、最高に面白い。Zoey Deutchとか、Elliott Smith とか、私の好きな女優や歌手の名前が出てくるのも好きなポイントの1つだけど、例えの使い方とかも本当に面白くて声を出して笑える。
映画は、「15時17分、パリ行き」を観た。ポスターやあらすじからして、サスペンスなのかと思ったら少年たちのドラマが中心だった。緊張と恐怖と安心と感動で最後の方はずっと泣いていた。運の悪いことにそのタイミングで機内の電気がついて、前から歩いてきた人にわたしの涙顔を見られたけど、心はまだばくばくしていた。
今回、フライトアテンダントの方たちは全体的にとてもフレンドリーだった。人と関わることをする時、それが仕事だとしても硬くてフォーマル過ぎずに、フレンドリーでフランクであるということはとても嬉しいものだな。
フランクフルトに着いたら、デュッセルドルフまではドイツ鉄道を使って1時間半の列車移動だった。「スリが多いから気をぬくと盗まれる」「停車するたびにスーツケースを確認する」「カバンは前に持つ」と耳にタコができるくらい言われていたから「そんなに気を付けないといけないのか…」とちょっと恐れていた。
列車の通路にはスケボーを持った子供(といってもわたしと同じくらいの年)が座っていて(座りながら寝そべっていて)その様子はとても好きだった。ガス・ヴァン・サントの映画みたい。
なにより列車内は、かなり混んでいた。座る場所もほとんどなく、立っているといってもとにかく通路が狭い。左の車両も右の車両も混んでいる。すると30、40代くらいのスーツケースを持った男の人が、向こうに空いている席があるよと言ってくれた。教えていただいたままに車両の中央の方に行った。
通路側に1人の青年が座っていて、窓側が空いていた。彼は紙に何やら文字を書いていた。窓際に座りながら、本を読もうとしたが、この「列車に乗っている自分」という世界と「本の中の世界」に両方いっぺんに浸ることはできない。リルケを読んでいてもLeah on the off beat を読んでいても集中できないので本を閉じて窓の外をみていた。途中時々通路に置いてきた荷物のことが気になったが、この1時間半も立っていたくなかったし、こうやって座って列車の雰囲気を楽しみたいなと思いそのまま座った。窓の外をみながら、「ビフォア・サンライズ」のことを思い心が躍っていた。今までは列車といえば、「ビフォア・サンライズ」だったけど、飛行機で「15時17分、パリ行き」を観たために列車の通路をみるだけでその緊張感とサスペンス感を時々思い出すこともあった。
話しかけたところ、隣の青年は、アムステルダムに行くところらしい。アムステルダムで勉強していること、そこに彼の父が住んでいるところ、そして上手く聞き取れなかったがそこで医学を勉強している、とたぶん言っていた。彼のアクセントは、ミア・ハンセン=ラヴの映画 “Eden” に出てくるポールに似ていた。
途中の大きい駅で列車が停車した時、彼は” You know what we should do ? We should move to those seats because people are coming here” と言った。そして、4人用の向かい合った席のうち空いていた通路側の2つの席に移った。そのついでに、わたしは荷物を確認してトイレに行こうと車両と車両の間の通路に行った。すると、一番最初に出会った30代40代ほどの男の人に出くわした。彼は荷物が盗まれないように見張っていたという。そしてわたしの荷物も見ておいてくれていたのだ。わたしは彼がとても優しいこと、荷物が盗まれていないことの2つにほっとした。お礼を言いながら少し話すと、彼は普段はスイスに住んでいるが、今回はドイツに住む息子に会いにきているらしい。明後日にはドライブでスイスに戻るらしい。車や列車で簡単に他の国に行くことができるのはうらやましい。
リエンダーに会った時、なんか1年会っていない感じは全くしなかった。まずは下に行ってスターバックスでフラペチーノを頼んだ。(もちろんね)
デュッセルドルフからゾーリンゲンまでの列車の中で前にいた5.6人のティーンネージャーにみえる男の子たちがずっとわたし達を見ていた。彼はそれに対してずっと英語で色々言っていた。
そのあとゾーリンゲンに行って、スーパーでウォッカやチップスを買った。ゾーリンゲンの街や地下鉄の雰囲気全てに私が興奮したけど、リエンダーは逆に私がそんなにエクサイティドしてることを不思議がっていた。日常になってしまうと、「繰り返し」見たり聞いたりするともうそこに楽しさを見つけるのは難しいものなのかなあ、きっと彼が中野に来たらきっとワクワクするだろうけど私はしないのと一緒で。
Airbnb の部屋を探して荷物を置いたあと、ピザをデリバリーで頼んで公園で食べた。しかし、彼は全く食べないのだ。日曜日にある撮影に備えて1日の中でフラペチーノとピザ1枚の半分ほどしか食べない。このエクストリームさがさすがリエンダー。
すでに12時近かったので、空いているお店はマクドナルドくらいしかなかった。ウォッカと混ぜるためのジュースをマクドナルドで買うことにした。最初はオレンジジュースにしようと話していたが、結局スムージーにした。その理由が、レジの青年が「オレンジジュースは高すぎるからオススメしないよ」と言ったからだ。正直で店員の言い方が面白くてそのあとその話をして2人でずっと笑ってた。
また別の公園まで歩いて、ウォッカにスムージーを混ぜた。ウォッカの量が多かったからか、スムージーの味が強かったのか、あまり味に大きな変化が感じられなくて美味しくスムージーとして飲めた。
夜だからか道を歩いていると車からヒューという声がしたり、道の向こう側から何やら叫ばれて中指を立てられたり、ところどころ1人だったら怖いなあと思うときがあった。
椅子に座ってスムージーを飲みながら、話した。どうやってflirt するか、そのルックをやってもらった。眉毛を片方だけ上げるそうだけど、たしかにこれはかなり効くflirt だと思った。そのあと、Love とは何かについて話した。彼にとってloveとはその人の為に死ねることらしい。彼はもちろん彼の親友のことを大好きだけど、彼らのために死ねはしない、という。だからまだ親以外の誰も愛したことはない、と言う。What is Love ?