norika_blue

1999年生まれ

永遠の映画 ‘20 番外編

 

番外編について書く前に、「Never, Rarely, Sometimes, Always」で書いた"シスターフッド"について1つ追記したいことがある。"シスターフッド"は「女性なら誰もがお互いを理解し連帯できる」ということでも「男性はその連帯には入れない」ということでもない、ということだ。そのような狭い、かつ排他的な意味での「連帯」は私にとって連帯ではない。個人の経験を理解しようとし、共に前に進もうとすることが私にとっての連帯。個人に帰属する経験を理解しようとするとき、その経験が何を意味するのかを身近に知っているかどうかでその「理解」の過程は変わるだろうけど、それは「女性だからわかる/わからない」「男性だからわかる/わからない」という狭いカテゴリーの話ではない。それを強調したい。

 

 

ANYWAY,  番外編を書きたい。

 

 

 

南瓜とマヨネーズ (2017) / 監督: 富永昌敬

 

f:id:i_call_you_eden:20210203180923j:image


共感するようなところはひとつもなかったけど、なぜかものすごく夏休みを思い出した。夏の暑くて湿っていて少しダルい感じ。それを映画にした映画はたくさんあるはずなのに、この映画から漂ってくる素朴で熱っぽいノスタルジアはあまりにもリアル…どうしてひとつの映画でそれができるんだろう… 

 

 

 

きみの鳥はうたえる (2018) / 監督: 三宅唱

 

f:id:i_call_you_eden:20210203180952p:image
f:id:i_call_you_eden:20210203180947j:image


三宅監督は一度学校の講義にゲストとして来ていて、その時の話が印象的だった思い出。ずっと観たくて、去年やっと観た。

 


賛否両論あるだろうけど、私はあのクラブシーン含めすごく好きだった。そのあとの淡い朝焼けと函館の夏の少し冷たく澄んだ空気も。誰もいない町の大きな道路を3人で軽やかに横切る。この映画は、いい意味で「ただ映している」感のある映画で、クラブのシーンでもそれは変わらないんだけど、一歩引いて観察している感はないんだよね。ふんわり同じ場所に浮いている気分になるというか。大好きなミア・ハンセンラブの映画と少し似てる。

 

 

 

桐島、部活やめるってよ (2012) / 監督: 吉田大八 

 

f:id:i_call_you_eden:20210203181043j:image
f:id:i_call_you_eden:20210203181039j:image

 

さいっこうだなこの映画!残酷でリアルなこんなコメディがみたかった。町山さんの解説を聞いて、サルトル実存主義と絡めてさらにこの映画のダイナミックさを感じた。

俳優たちの配役も演技も完璧すぎて今思い出しただけで鳥肌立ってくる。

 

 

 

④LETO -レト- (2018) / 監督: キリル・セレブレンニコフ

 

f:id:i_call_you_eden:20210203181129p:image
f:id:i_call_you_eden:20210203181134j:image

 

1980年代前半のソ連の若者たち。白黒だからこそ、さらに鮮やかになることってあるんだね。映画の後半カラーのシーンが少しだけあったけど、そのシーンを見て、白黒のもつ尊さや愁傷さに尚更気付かされた。あと曲が良くて、希望的な破壊の気分になる&思いっきり踊りたくなる。

 

 

 

⑤ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!(1999) / 監督: アレクサンダー・ペイン

 

f:id:i_call_you_eden:20210203181208j:image

 

「コメディ映画」のジャンルに振り分けられてる映画って、すごく好きな映画か、全然好きじゃないかにすごく分かれる。この映画は、すごい好きなタイプのコメディ映画だった。キャラクターが確立されてて、音楽の挿入のタイミングまで含めて、全てに笑える。細かいところのこだわりがすごくて、完全にこの映画の主人公たちのワールドに引き込まれた。

 

 

 

リリイ・シュシュの全て (2001) / 監督: 岩井俊二

 

f:id:i_call_you_eden:20210203182053j:image
f:id:i_call_you_eden:20210203182050j:image

 

中学生の時に、TSUTAYAのおすすめ欄でみてからずっと観たかったんだけど、なぜかあまりにも絶望的なイメージがあって、去年になって観た、、、

 

観てよかった。一生忘れられない映画になった。光の使い方とカメラの角度が印象的。

 

登場人物それぞれに、なくそうと思ってもなくならない色んな感情が渦巻いていて、うるさいほど叫んでる。この映画のすごいところは、その叫びを、セリフではなく俳優の細かな立ち振る舞いや表情、カメラワークで示しているところ (実際に叫ぶとこもあるけど)。

 

 

怒りだったり、ドグマのようにドロドロになった行き場のない感情だったり、捨てられない希望だったり、どうしても未来に光を見出そうと、なんとかして前に進もうとすることだったり。そこには懇願的な生のエネルギーがある。だからこの映画は「痛々しい」と形容されるのかな?「痛々しい」には、ただ絶望的なだけじゃなくて、擦り切れてもそこにある生の身体の存在が示唆されているように感じる。あくまでも個人的な意見だけど。

 

 

 

⑦クーリンチェ少年殺人事件 (1991) / 監督: エドワード・ヤン

 

f:id:i_call_you_eden:20210203183203j:image
f:id:i_call_you_eden:20210203183208j:image
f:id:i_call_you_eden:20210203183206j:image

 


もう一度観たい。歴史をもう一度学んで。

すでに衝撃を受けた映画のうちのひとつなんだけど、この映画、今の私の知識じゃきっと表面しか観てない気がする。

 

2月8日2020年