(写真;ジェンとデイビットの家の前の湖が凍って雪が積もったとき)
超好きなものたちへ
まずは音楽
音楽は本当に不思議。音はなぜわたしの心をこうも解体できるのか?今までわたしに存在していたことも知らなかったものを引き出すのか?
私は音楽に遊ばれているし、体を操られている。それは一種中毒的という点で共通しているけれど、遊ばれ方はさまざま。
血管に直接、音というエキスの入った注射器を刺される感じの曲もある。Nas の The Message とか Harry Hudson の Love, dad とか Omegaのgyöngyhajú lány がそうだ。 そのエキスは金色にぎらぎらしていて、溶岩のように熱くてどろどろしている。The Message とかLove, dadを聴いている時、自分の身体に意識を向けるとまさしくこの金色の溶岩が血管の中を流れているようで、自分の体を本気で心配する。どうすればいいかもはやわからなくなってしまう。
存在しなかった過去なのに強烈なノスタルジアが湧き上がって、まるで自分が経験したことのような錯覚を与えてくる曲もある。こういう曲は結構多いけど、The Vampsの曲が特にそうだ。行ったこともない、雑誌で見たのか映画で見たのかもわからない、場所もわからない湖での過ごしたこともない日々の “思い出” が The Vamps を聴いていると頭の中に浮かび上がってきたりする。
暖炉の灯りとホットチョコレートみたいな温かさがあるのに、同時に真っ青の海ような潔さがある曲もある。Dagny の Love you like that と、used to you がそうだ。
ネオン色の気体の中にいながら、まわりの世界が絵に変わっていくのをみているような感覚になるのは LANYのThru These Tears.
Glouploveというバンドについては話すとなると少なくとも1日は必要になってしまうので省くが、1つ言えるのは自分のお墓に彼らのCDを入れてほしいと本気で思っているほど、やっぱり世界一だってことだ。
音楽は私にとって色と温度で、一度体の内側に入ったら決して滞ることはなく動きまわる川。音楽をつくることのできる人に永遠に嫉妬する。
12月10日 2018年